Report.21 石橋高校生から学ぶ歴史講座 part.2

皆さんは、下野市の歴史についてご存じでしょうか?

日本や世界の歴史は学校や書籍などで学ぶことが出来ますが、地域の歴史について深く学ぶ機会はあまりないのかもしれません。

でも、私たちが生まれるよりもずっと昔から人は暮らしています。人がいるなら、そこには面白い出来事が起きていたはず。下野市ではどんなことがあったんだろう…?

ということで、2022年11月19日(土)に石橋駅前コミュニティセンターにて『石橋高校生から学ぶ歴史講座part.2』が開催されました!

今回のイベントは石橋高校歴史研究部の生徒が先生となって下野市の歴史を学ぶ歴史講座の第2弾です!第1弾のレポートはこちらから!


 
今回の歴史講座では、

①『下野市の朝鮮人参栽培』をテーマにした全体発表
(告知では下野薬師寺をテーマにした講座でしたが変更となりました)

②好きなテーマを題材とした個人発表の2部構成で行われました。

そして、今回レポートを担当するのは帝京大学3年の森田凜子です。

参加したきっかけとしては石橋高校歴史研究部の方が先生だと知って、「どんなことを研究しているのだろう?」と気になったからです。

中学生の頃、歴史研究部があり、興味はあったものの他の部活に入部したので入部することはなく、ちょっとした心残りとなっていました。「もしあの時入部していたら…」なんて思いながら今回の歴史講座に参加させていただきました。

五千石での朝鮮人参栽培


 
最初に朝鮮人参の栽培についての発表がされました。江戸時代では朝鮮人参は発芽率が低く、とても貴重な高級食材で、生産者に大きな利益を与えたそうです。

そのため朝鮮人参栽培は幕府が栽培方法の公開を限定しており、許可がなければ栽培できませんでした。

そんな朝鮮人参栽培ですが、実は下野国の五千石(現在の上三川町から小山市北部あたりの地名)で栽培がされていました。なぜ五千石で栽培がされたのか?ということで話が進みました。時折挟まれるクイズにみんなで悩みながら考えるのが楽しかったです。

個人テーマ発表

全体発表が終わって石橋高校歴史研究部の4人が各自選んだテーマの発表です。

1.富山売薬 大根田(おおねだ)さん


 
まず最初に大根田さんに「富山売薬」についてお話してもらいました。

「富山売薬」とは江戸時代の富山県の売薬業商人が全国の家に薬を預けて、次回訪れた際に使った分だけ代金を頂戴することを指しています。この富山売薬がきっかけで全国的に庶民が薬が使えるようになり売薬の発展に繋がったそうです。

大根田さんは「富山売薬が売薬の発展になぜ繋がったのか?」について疑問に思い、個人発表のテーマに富山売薬を選んだそうです。

富山県は当時交通の要所であり、製薬への幕府の手厚い支援(資金の無利息貸与など)があったために売薬の発展に繋がったとのことでした。

2.野菜の歴史 野口(のぐち)さん


 
次は野口さんの「野菜の歴史」についてです。

「いちごは果物か野菜かどちらかわかりますか?」という野口さんの問いかけから始まりました。実は区別はなく、その理由はいちごは海外の野菜を品種改良したものだからだそうです。

普段わたしたちが食べている野菜や果物も同じで海外の食べ物を品種改良しています。

ごぼうやナス、きゅうりなど、身近な野菜が今の姿になった経緯や日本と海外での野菜の違いについて教えてくれました。(ごぼうは日本では縁起がいいものとして食べられるが、海外では食材として見ていない、など)

身近な食べ物だからこそ驚くことが多く面白かったです!

3.中国大返し 有野(ありの)さん

 


 
本能寺の変の織田信長の自害後、仇の明智光秀を討つために羽柴秀吉たちが岡山備中から京都へと軍団移動した「中国大返し」。

岡山備中から京都までは一直線上で約180km。戦国時代で電車も車もない中どのように移動したのか、食糧・住居・武器の観点から有野さんによってユーモアを交えて解説されました。

途中で出された秀吉が「こんなんできるわけないやろ」というスライドでは笑いが生まれていました。

4.宇都宮駅開業秘話 大野(おおの)さん


 
最後は大野さんによる「宇都宮駅開業秘話」。

「JR宇都宮駅は宇都宮市の中心部と少し離れているのに、東武宇都宮駅は中心部になぜあるんだろう?」という疑問がきっかけでこのテーマを選んだそうです。

東武宇都宮駅が宇都宮の中心部にあるのは城下街の商工会による影響が大きかったとのこと。参加している方の中にはその当時のことを知っている人もいたようで相槌に混ざって「懐かしい」という声も聞こえました。

個人発表が終わった後には質疑応答が行われました。質問の他に、「思い出が蘇った」という声もありました。富山売薬の薬売りが訪れる宿に泊まった時にいた薬売りのおじいさんの話をされる方や、石橋駅が開業した際に尽力した方の話をされる方などなど。

聞いているだけでもワクワクしてしまうような思い出をお裾分けしていただきました。


 

歴史を知ることは面白い!

下野市の歴史について知ることが出来て面白かったです!
加えて、歴史講座の内容が参加した方の思い出と繋がる様子が興味深かったです。

知らないことを知って「なるほど!」となる瞬間が好きなのですごく楽しく聞くことができました。私は現在宇都宮市に住んでいるので、宇都宮市の歴史も調べてみたいです。

印象的だったことは、石橋高校出身の方が多く参加されていたことです。中には石橋高校の昔の校内誌「車輪」を見せてくれる方もいました。学生時代の思い出を懐かしむ様子を見て、胸がほっこりしました。

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